【書評】あやうく一生懸命生きるところだった ~ハ・ワン~
疲れ切った人に立ち止まる勇気を与える本
本のタイトル
『あやうく一生懸命生きるところだった』
著:ハ・ワン(文・イラスト)
訳:岡崎暢子
著者「ハ・ワン」さんについて
・イラストレーター、作家
・会社とイラストレーターのダブルワークを経験後、40歳前に会社を辞める
・現在はフリーのイラストレーター
読もうと思った経緯
本屋さんで偶然に目に入り、タイトルに引き寄せられた。
パラパラとページをめくると、ゆるいイラストと胸に刺さる言葉がチラホラと。
今の心境に合っていて、今後の生き方の参考になる本だと思い、本書を手にレジに向った。
簡単な要約+感想・気付き
・何のために頑張っているのか
「・誰が一番お金を稼ぐでしょうか大会
・誰が一番最初に家を買うでしょうか大会
・誰が一番出世するでしょうか大会
どのレースに参加していて、勝とうとして必死になっているのか」
自分は何故いまの仕事を頑張っているのだろう。
改めて考えるとはっきりとはいえない。
強いて上げるのであれば、『使命感』
……どうせ自分がいなくなっても誰かが代わりをして、仕事は回るだろうに。
と、考えると気分が落ち込んできてしまう。
よく「目的を決めてから行動しろ」と言われるが、それを今の仕事で考えると答えに困ってしまう。
今まで会社がしたいことを実現するために、どうしたらいいかを考えて頑張ってきた。
つまり自分の意思を押し込めて、会社の意思のもとに今まで働いてきた。
「会社がしたいこと=自分がしたいこと」であればもう少し前向きに考えることができるのだろうか。
とはいえ、会社と一個人でしたいことが100%同じなんてことは滅多にないだろう。
頑張ることで幸せになれるのは自分なのか。
それとも同僚たちなのか。
はたまた会社ともっと大きい集合体なのか。
考えれば考えるほど、頭の中でいろんな思考がグルグル回る。
とりあえず1つ言えるのは、周りの人を喜ばせたい気持ちはあるが、自分のモチベーションが保てるくらいの喜びは感じたい。
なので今自分が参加しているレースは、
「誰が一番幸せを感じているでしょうか大会」
自分の順位はわりと低そうだ……。
・あきらめる技術
「僕らは、忍耐や努力する技術については幾度なく体にたたき込まれてきたが、あきらめる技術は教わらなかった。
いやむしろ、あきらめてはいけないと習った。」
諦めるのは良くないことと言われて育ってきた。
この理屈は条件付きでは正しいと思う。
・諦めてはいけないのは、感情に流されてしまっている時だと思う。
本当はできるはずなのに、投げやりになってチャンスを手放してしまう。
これはもったいないと思う。
後で後悔することになる。
(自分の判断だと割り切れるならいいかもしれないが)
・諦めた方がいいのは、諦めた結果 もっといい未来が見えた時だと思う。
1つのことに執着するのが悪いことだとは思わない。
それだけそのことに打ち込めるから。
しかし、1つのことに執着して前に進めなくなるのであれば、新しい道を探すのも1つの選択肢だと思った。
・新しい恋人を探すなら、今の恋人と別れてから
「僕の知人に、恋人と別れる前に必ず次の相手をキープするやつがいる。
こんなやつをちゃっかりものと見るべきか、卑怯者と見るべきか。
退職に挑む僕らの気持ちは、これに近いのでないか」
妙に納得してしまった。
いま会社に勤めながら次の就職先を探しているが、していることはこれか。
そう考えると少し気が引けてくる。
感想(まとめ)
本書で一番好きだった箇所
「一生懸命生きるのはツラい。
それは我慢の人生だから。
同じ人生なら「一生懸命」より「楽しく」生きたい。
天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者に勝てない。」
自分も楽しく生きたい。
これがしばらくの自分の生き方のテーマになりそうだ。
それに人間も動物だから、ある程度は本能で生きたい。
食べたいから食べる。
眠いから寝る。
働きたいから働く(何故働きたいかを考え出すと長くなるので、今回は割愛)
生き方は人それぞれあると思うが、「一生懸命=素晴らしいこと」と認識を変えてくれた本書だった。
自分も早くこう言えるようになりたい。
「あやうく一生懸命生きるところだった」と。