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【書評】ゆっくり、いそげ~影山知明~

資本主義に疲れた人のための経済

毎日が忙しいです。

忙しいのは疲れます。

でも忙しいのは良いことだと周りに言われます。

自分は、本当の忙しくないを知らないのかもしれませんね。

 

それでも忙しいと命を削っている気がしてツライです。

なぜこんなに忙しくして頑張っているのだろう。

お金のため・・・?

 

忙しくない=収入が無くなるってこと?

 

そんなことを考えているときに、ゆっくりと利益を出しているカフェの本に出会ったのでまとめていきます。

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ー目次ー

 

本のタイトル

『ゆっくり、いそげ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~』

 著:影山知明

 

著者「影山知明」さんについて

・2008年「クルミドコーヒー」オープン

・2017年「胡桃堂喫茶店」オープン

 ・ミュージックセキュリティーズ株式会社取締役

 

読もうと思った経緯

本書を手に取ったきっかけはタイトルでした。

内容を、人生論的なモノだと想像していましたね。

思っていた内容とは違いましたが、サブタイトルの

「カフェからはじめる人を手段化しない経済」

に 興味を惹かれ、

ふとあることを考えに至りました。

 

「自分は会社の経済手段なのかな」と。

そんな訳で、思っていた内容とは違うと思いましたが、実は今後の人生の考え方の指針となりそうだと思い、読むことにしました。

 

簡単な要約 + 感想・気付き

経済とビジネスの由来

経済

 中国の古典に登場する言葉「経世済民(世をおさめ、民をすくう)」

 

ビジネス

 「bisig」+「ness」

 「bisig」は古い英語で、ここから派生した形容詞が「busy」(忙しさ)

  時間・労力・コストをかけず、

  できるだけ効率よく商品・サービスを生産し、お金を稼ぐ

 

<本書ーまえがきー参考>

経済は「システム」、ビジネスは「手法」ですね。(自分の解釈です)

普段よく見かける単語ですが、意味をちゃんと考えたことがなかったです。

 

特に気になったのが、ビジネスの由来です。

「忙しい」からきているので、

昔の人も「利益を得る = 忙しい」と感じていたのでしょう。

そう考えると、利益を得るために働く社会人が忙しいのは仕方がないのかな、と思えてきます。

 

ビジネスの成果

通常、ビジネスにおける成果は、次の数式で測られる。

成果 = 利益 ÷(投下資本 × 時間)

 

<本書ー「時間」は敵か、それとも味方かー引用>

この成果を最大限得ようとするのが、会社の目的なことが多いです。

目的を達成するために、利益を高め、労力やコストを減らしていきます。

 

労力を減らして、利益を高める。

これを行うことにより、会社は進化してくと思います。

 

ただこの仕組みを構築するのには労力を多く使います。

たとえ仕組みが完成しても、さらなる成果をもとめて仕組みを改良していきます。

 

利益が増えて、その利益を得る労力は減りますが、

仕組みを常に改良していくので、その労力は変わりません。

ここが自分の忙しさの原因なのかな、と感じました。

 

成果のために利用しあう関係

会社は、お客さんを成果(利益)のための「手段」として利用します。

お客さんは、会社のサービスを自分の目的の「手段」として利用します。

 

お互いに「利用し」「利用される」関係で、成果・目的達成を目指します。

これは、会社と社員と関係にも同じことが言えます。

(労力と給料)

 

<本書ー「交換の原則」を変えるー参考>

この考えは、相手を利用することが前提になっています。

だから相手の利用価値は、大きければ大きいほどいいです。

大きいほど成果も大きくなりますから。

 

この考え方を「利用価値」という単語で表現すると、良くない印象を持つ人は多いと思います。

 

しかし、職場の良さを給料や休みの多さで判断する人が多いも事実です。

これは職場を、自分の利益のために利用しています。

利用しあう考えというのは、人間の深層心理に潜んでいるのかもしれませんね。

 

利益を得るということ

 成果 = 利益 ÷(投下資本 × 時間)」

 

利益を得るのは嬉しいと思います。

そのために働いている人も多いと思います。

 

しかし、その利益を得るために苦しい思いをしている人は幸せなんでしょうか。

反対に、利益を十分得ることができた場合、それで本当に幸せになれるのでしょうか。

幸せが続くと、それが普通になり気持ちが薄れていくといいますし……。

 

利益を求めることで本当に幸せになれるのか、働く意味を考えさせられました。 

 

ゆっくりいそぐとは

かけるべき時間をちゃんとかけ、かけるべき手間ひまをちゃんとかけいい仕事をすること。

さらにはその仕事を丁寧に受け手に届け、コール&レスポンスで時間をかけて関係を育てること。

つまり「贈る」ことを仕事目的にする。

 

<本書ー「時間」は敵か、それとも味方かー引用>

マニュアル通りの効率を重視した働きではなく、相手のことを考え最大限の成果を提供する。

その結果、次は相手が自分に最大限の成果を提供しようと思ってもらえる。

このお互いを思いやる関係がいい仕事を生み出す。

と、自分は解釈しました。

 

成果 = 利益 ÷(投下資本 × 時間)

の投下資本と時間(何をするのか)を目的とする。

これで自分は何をしたかったのか。

お金以外にしたいことがあって働くのではいのか。

したいことをするのが本当の幸せではないのか。

いまの生き方に疑問を抱かざるおえないですね。

 

感想(まとめ)

経済のことをよくわかっていない自分ですが、これまで生きてこれました。

これは他の人が作ったシステム(経済)に従っていたからなのかもしれません。

 

自分は今、会社員のシステムを走っています。

だから何の疑問の持たず、利用され、利用することをしていたのだと思います。

そして今のシステムは自分に合っていないと実感しています。

 

その解決方法は、利用しあわないシステムに移るか、作るかだと感じました。

ただ、まだ知識が不足しすぎています。

30年以上この考えに至らなかったのですから……。

この分野についてもう少し勉強してみよう。

そんなことを思えた一冊でした。

おわり。