【書評】自分をいかして生きる ~西村佳哲~
味気ない仕事と生き方に、味をつけるヒントが詰まった本
自分を生かす → 自分が死なないようにする
自分を活かす → 自分の特性を有効に活用する
タイトルの「自分をいかして生きる」の「いかす」は両方なのかなと思いました。
そして、自分の働き方はおそらく「生きる」です。
生活するために働いています。
でもこれは生存するために働いているけど、自分を殺して働いているので、生きているといえるでしょうか・・・?
働き方について悩んでいる時に、仕事との付き合い方のヒントになる本に出会えたので気になった所の記録を残していきます。
ー目次ー
本のタイトル
『自分をいかして生きる』
著:西村佳哲
著者「西村佳哲」さんについて
・プランニング・デザイナー
・「Living World」代表
・自称『働き方研究家』
・著書
「自分の仕事を考える3日間」
「みんな、どういうふうに働いて生きてゆくの?」
「なんのための仕事?」
など
読もうと思った経緯
自分は中間管理職をしています。
誰もやりたがらず、断ることが苦手な自分が折れる形で引き受けました。
数年前のことですが、あれからずっと心が折れそうです。
自分が管理職に向いていないのは自分でよくわかっています。
たとえ上手く職務をこなせていたとしても、精神がついていっていないのです。
心と身体が壊れないように生きるだけで精一杯なんです。
そういう悩みを抱えていたところ、本屋さんでこのタイトルが目にとまりました。
自分を生かすことで精一杯で、自分を活かせていない自分に、
生きるヒントを教えてくれそうだと期待し、本書を手に取りレジに向かいました。
簡単な要約 + 感想・気付き
いるのにいない
アイディアを出し合うミーティングでも、「それは流行っているんですか」とか「新聞で見ました」「前例がないので持ち帰り検討します」と言った発言が多く、本人自身が今この瞬間に感じていることはあまり語ろうとしない。
<本書-存在という贈り物-より引用>
会社によるかもしれませんが、仕事で個人が感じていることを話すことは少ない気がします。
仕事では、個人がどう感じたかより、会社にとって利益になるかを判断基準にしています。
(もしくは上司にとって利益か不利益か)
当人はそこにいるけど、本人の感じていることを表現しない(できない)
そこにいるだけの状態。
これが「いるけどいない」状態だと本書では書かれてます。
これまで自分は、自分の意思で行動しているのではなく、
会社(上司)の意思を如何に汲み取るかのゲームをしていたのかもしれません。
いい仕事とは
僕が魅力を感じ、満足を覚えるのは、「いる」感じがする仕事である。
「いる・いない」は、「上手・下手」じゃない。
美味しいに越したことないが、極端な話、不味くても「いい!」と思える店もある。
<本書-いい仕事、について-より>
今まで仕事を、上手く・効率よく・ミスしないを優先して仕事をしてきました。
会社が上手く回り、利益が出せる仕事がいい仕事だと思っていました。
会社員としては間違っていないかもしれませんが、ずっと味気なさを感じていました。
今考えると味気なさを感じるのは、
費用対効果を重視して、常に平均点くらいの仕事をしているからかもしれません。
自分の存在を出さない働き方(誰がやっても同じ結果の仕事。歯車の働き方)
まさに、仕事をして「いる」けど、そこに自分は「いない」のかもしないですね。
反対に相手のことを考えて、少し時間を掛けて工夫した資料などは相手に感謝されます。
これが自分が「いる」仕事で、いい仕事なのかもしれないですね。
仕事の本質は感謝だとよく言われますが、このことがよく分かる部分でした。
やりたいことは?
「〇〇になりたい」
↑の〇〇には職業がよく入ります。
それはやりたいことでなく、やりたいことをするための手段です。
なりたい職業を考えるより、「どんな〇〇になりたい」
↑のどんなが本当に目指すものであり、それを叶えるために職業を考える。
それが後に「これが私です」と示せるものになります。この考え方が大切だと本書では書かれています。
<本書-どんな〇〇〇に?-参考>
自分は何も考えずに就職してしまったので、今の仕事にはどちらも欠けています。
今までこれを考えてこなかったから、今の味気無さがあるのかもしれません。
これからを考えるために、ここがとても重要な部分だと感じました。
感想(まとめ)
仕事に対する考え方について大いに考えさせられ、今後の考え方の基盤となる内容が多くありました。
ただ自分は本当は何がやりたいのか、まだパッと浮かびません。
やりたいことが見つかれば行動しようと思っていましたが、この歳まで見つかりませんでした。
だから今の状態で働き続けています。
それはとても味気ない生き方です。
やりたいことを見つけたい。
そのヒントも本書には書かれていたので、これを最後に残して終わることにします。
やりたいことの見つけ方のヒント
「お客さんでいられないこと」
「好きなことより大切なこと」
上の2つは「好き」よりさらに前の感覚的なもの。
このあたりに熱源はあるのだと思う。
<本書-お客さんでいられないこと-参考>
自分がお客さんでいられないことは何だろう?
自分の大切なことは何だろう?
本、ゲーム、お菓子…。
おわり